抜けたけど、心に残らなかった夜|“惜しい”で終わった1年前の記憶
目次
あの夜、手軽に抜けりゃそれでいいと思ってた
思い返せば、あれ半年ほど前の深夜だった。
地元で飲み歩いた帰り道、いつものごとくムラムラが沸点突破。
だけど、その日はやけに気合いが入らなくてな。
若い子とかプレミア嬢とか、そういう“当たり引きに行く気力”すらわかなかった。
「もう…抜けりゃそれでいい」
完全に“割り切りモード”のスイッチが入ってたわけだ。
そんな時、スマホ片手に目に飛び込んできたのが——
【廣島奥様チン電】
このネーミング、正直ちょっとふざけてる。
でも、逆にそれが妙にリアルで、なんか“生々しさ”を感じたんだ。
で、料金を見てビビった。
40分6,000円~って、マジかよ。
この時点で俺の脳内は「値段=全て」になってた。
「もういいや、ハズしても安いし」って自暴自棄にも近いテンション。
迷うことなく即電話。対応は軽めだったけど、スムーズに話は進んで…
「今すぐ行けますよ~」ってノリで案内されたのが——
【ふゆみ嬢(47)】
年齢見て「おぉ、きたなオトナ枠」って思ったけど、あの時はとにかく“誰か来てくれりゃOK”状態だったから、もう任せた。
プロフィールも確かに見た。
でも…写真の印象もコメントも、ぶっちゃけ覚えてねぇんだわ。
で、いざ対面した瞬間の感想——
「……うーん、まぁ予想通り?」
悪い意味での“ギャップ”はなかった。
でも逆に言えば、良い意味での裏切りも一切なかった。
インパクト、ゼロ。とにかく無難。
あの夜の記憶が曖昧なのは、そういうことだと思う。
もちろん、この年齢の女性に「衝撃的ビジュアル」とか「激エロ対応」とか求めてたわけじゃねぇよ。
でもな、“価格以上の満足感”ってやつが一切なかったのは事実だ。
セール価格の商品を買って、「まぁこんなもんだろ」で終わる、あの感覚。
まさにそれだった。
「手軽に抜けりゃいい」って自分のテンションが招いた結果だから文句は言えねぇが、
それにしても——もうちょい“何か”欲しかったな。
ふゆみ嬢(47)登場──清潔感はあるが…温度がねぇ
ピンポンが鳴って扉を開けた瞬間、
「ん…まぁ、こんなもんか」ってのが正直な第一印象だった。
見た目は確かにプロフィール通りだったような記憶…
いわゆる“チン電スタンダード”な人妻感があった。
でもな、そこに温度がなかった。
「こんばんは~」って笑顔は出てる。
でも目が笑ってねぇ。口角は上がってるけど、気持ちがそこにいねぇ感じ。
清潔感はある。匂いも悪くない。
でもなぜか——
女としての“温度”がまるで感じられねぇ。
見た目はまぁ想定内。
歳相応の落ち着きもある。清潔感もギリ保たれてる。
でもよ、“気配”がないんだ。
女が持つ独特の“柔らかさ”とか“含み”ってあるだろ?
ああいうのが、全然伝わってこねぇ。
どこか空っぽっていうか、“対応してます”感が前に出すぎてて、こっちの気持ちが乗っていかねぇ。
で、俺の方が妙に気を遣っちまった。
「お疲れですか?」なんて、つい声かけちまったんだよ。
…いや、逆だろ。
こっちは金払って癒されに来てんのに、なんで俺が“労う側”になってんだよ。
初対面って、本来一番“色っぽさ”を期待してるタイミングだろ?
まだ触れてもねぇ、脱いでもねぇ。
でも、そこに“余白”があるからこそ、想像と欲望が膨らんでいくもんだ。
ところが今回は、その“余白”すらなかった。
ただ立ってて、ただ受け答えして、ただそこに“居るだけ”。
情緒ゼロ。
こっちが求めてんのは、AVみたいな演出じゃなくてもいい。
目線一つ、言葉一つに“ちょっとした艶”が感じられる女の存在感。
それがまるで感じられなかった。
たとえるなら、ぬるいお茶だ。
冷めきってもいないけど、ホッともできねぇ。
口に入れても感情が動かねぇ、あの温度感。
この時点で、俺の中で何かが「ピクリ」と止まったんだ。
「…今日は抜きに来たはずなのに、気持ちが立たねぇかもな」って。
会話も所作も“マニュアル通り”、心が置いてけぼり
室内で軽く会話を交わすも、話は浅い。
質問には答えるけど、そこから広がらない。
愛想笑いもあるけど、こっちの言葉が届いてる感じがしない。
シャワーの準備、服のたたみ方、タオルの置き方——
全部“キレイにはやってくれる”。
けどそれは、“接客としての正解”であって、心がこもった行為じゃなかった。
なんていうか、“台本をなぞってる女”。
そう感じた。
こっちのテンションが上がりきらないまま、流れでベッドへ。
会話での温度差って、こうしてプレイにも影響してくるんだよな。
それを痛感した夜だった。
一回戦はちゃんと抜けた。でも、それだけだった
リップ、フェラ、素股。
プレイの流れ自体はスムーズだった。
ガツガツした感じは一切なく、むしろ丁寧すぎるくらい、淡々と“こなしてる”空気だったな。
中でも印象に残ったのは、フェラだ。
奥までは入れてこない——けど、唇の圧、舌の滑らせ方、そのバランスが絶妙だった。
カリ際をなぞるようにねっとりと絡め、たまにじらすように唇だけで先端を包む——
技術は確かにあった。間違いなく。
途中で「あ、これで十分イケるな」って確信したぐらいには気持ちよかった。
優しく、でも抜きのスイッチはしっかり入れてくる。
どこか“熟練の安定感”を感じたフェラだった。
素股も同じ。
肌の柔らかさがちゃんと伝わってきて、
腰の使い方もリズムに乗ってた。
パイズリ的な密着感というより、“ぬるっと絡む体温”を感じられる構成で、
悪くなかった。
で——
しっかり抜けた。
イッてる瞬間は、確かに気持ちよかった。
これで文句つけたらバチ当たるレベルには達してた。
でもよ……終わった瞬間、ガッツリ冷めたんだ。
「はい、お疲れさまでした〜」
その空気が早ぇんだよ。
まだ息が整ってない状態で、ふゆみ嬢はタオル持って立ち上がって、すでに片付けモード。
こっちは賢者モード突入中とはいえ、一発終えたあとに“余韻”ってもんがねぇと、ただの処理じゃねぇか。
悪くはなかった。
プレイの流れも、フェラのテクも、抜きの完成度も。
でも、それだけ。
「また会いたい」
「次はもうちょい深く入りたい」
——そういう気持ちが、何ひとつ湧いてこねぇ。
スッキリはした。
でも、何も残らなかった。
まるで“忘れていく前提のセックス”だった。
気持ちよかったのに、心に引っかかるものが何もなかったのが、逆に寂しさすら感じるほどだったんだ。
次回【後編】では──
▶ 二回戦に行けたのか? それとも…
▶ 最後のやりとりに残った“違和感”の正体
▶ 半年経った今でも“記憶に残らなかった理由”を語る

たく兄の「惜しかった風俗」記録、後編で完結させるぜ。
抜かれただけで終わるかよ、待ってろ。